間質性膀胱炎・骨盤痛への取り組み

非常に熱心に取り組んでいる分野です。今までの間質性膀胱炎の概念に新しいものを取り入れました。このため、いくつもの英語(査読)論文を出しましたが、いずれも査読即合格しました。(←これすごいのです。通常は査読委員から色々重箱の隅を突くような質問が来るのですが、3つの論文ともベタ褒めでした。)

(1)間質性膀胱炎 膀胱からのアプローチ

この分野は治療件数が、その医療施設での経験数データになります。データの多い病院になればなるほど安全に治療対象を見つけることができます。間質性膀胱炎で重要な所見は、膀胱の中の亀裂をいち早く見つけることです。
亀裂から尿成分が膀胱に染み込み、間質が炎症を持ちます。すると、痛み物質が増えて、さらに腫れてきます。すると、また亀裂ができます。

亀裂を凝固する手術を繰り返し行うと改善する人がいる。亀裂を見つけることが重要。私たちは、この技術を磨くために努力を続けています。
数多くの症例があることが、そのエビデンスになります。

 

(2)間質性膀胱炎の診断に人工知能をとりいれた

間質性膀胱炎は、実に複雑です。原因が複数あれば、症状も複数。このため複数の治療法があります。
しかし、この複雑なものを、順にためしているのは、はやく痛みをとりたい立場としては、ジレンマがあります。そこで、間質性膀胱炎の治療に、人工知能をもちこみました。この人工知能をとりいれるという発想は、最初の論文当時は珍しかったのですが、やはり正しかったと思います。多くの人が、人工知能を取り入れるようになりました。私たちは、複数の医学論文を発表するところにまできました。私たちの最終目標は、3種類の間質性膀胱炎クラス分けにまで到達することです。

 

(3)新しいアプローチを数種類用意

この間質性膀胱炎に3つの種類があることを見出した当院では、それぞれに合う新しいアプローチを立ち上げています。
このうち、世界的な評価を受けているのは、ヴォルヴォディニアを合併した間質性膀胱炎へのアプローチです。
これを、私たちは、”間質性膀胱炎 第二グループ”と呼んでいます。

ヴォルヴォディニアには、外陰部の中でも処女膜瘢痕に痛みがあります。この部分の痛みは、神経の移行部分にあたります。
神経移行部分は、隣接臓器へ痛みを波及して、痛みの連携をします。
このために、膀胱の治療だけをしても、それは間質性膀胱炎の治療にはなりません。
そこで、膣のレーザー治療を行うことで、この神経の周囲のむくみを改善させます。

 

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