腹圧性尿失禁
便失禁2 便失禁の原因
便失禁の原因
便失禁の原因は、さまざまです。最も多いものは、出産時の損傷です。
出産の際に肛門括約筋が傷付くと、その後加齢とともに、肛門括約筋の強さが低下します。このことで便失禁が起こるのです。肛門括約筋をつかさどる神経に傷がつく場合があります。神経の障害は出産後すぐに分かる場合もありますが、高齢になるまで症状がでない場合もあります。
以前、僕が東京で勤務していた病院の婦長さんが教えてくれたこともありました。その話では、本当に最近までお産婆さんによる出産で、このマンガのようにお中の上にのられて押さえつけられていたそうです。その時に括約筋を損傷してもおかしくはありません。
また、肛門や肛門周囲組織に対し手術をしたことも原因になりえます。けがでも原因になりえます。肛門周囲の組織にバイ菌がはいり、感染症が起こった場合も肛門括約筋が傷付くことがあります。
ひどい下痢で、液状の便が頻回に出てくるために、便失禁になることもあります。下痢に出血が伴う場合には、診察が必要です。腸が炎症を起こしていたり(腸炎)、直腸腫瘍や直腸脱があれば、早急に医師の治療が必要なのです。
高齢者で長期臥床の人では、下剤の使い方が安定していないので、下痢と便秘を繰り返す場合もあます。この場合も、便失禁になります。
多発性硬化症や糖尿病といった病気は肛門括約筋を支配する神経を障害するので、便失禁となることがあります。
介護の視点からいえば、便失禁は、褥瘡の原因にもなります。
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