生体メッシュと人工メッシュ。再発率は同じ

よこすか女性泌尿器科では、生体メッシュ材料としての真皮を使うことがあります。これは、相当なテクニックを手術で必要とします。

さて、メッシュの先端は、腹壁ヘルニアです。この分野では、生体メッシュはそうでしょうか?

背景: 腹側ヘルニア修復術(VHR)には、合成メッシュと生物学的メッシュの2つのタイプのメッシュが使われますが、どちらが最も適しているかについては議論があります。最近開発された生合成メッシュは、両方のメッシュタイプの特徴を組み合わせたものです。この研究では、長期追跡データを使い、生合成メッシュを用いたVHRと合成メッシュを用いたVHRの結果、特にヘルニア再発について直接比較することを目的としています。

方法: この研究では、2013年から2018年にかけて単一の施設で行われたVHR(腹側ヘルニア修復術)の連続した症例を検討しました。患者の人口統計、手術期の特徴、合併症、メッシュの種類などの情報を収集しました。追加で、ヘルニアの欠損の大きさ、術後6ヵ月までの合併症の有無、追跡期間、ヘルニア再発率などのデータを電子カルテのレビューから取得しました。メッシュの修復効果の寿命は、Kaplan-Meier法とCox比例ハザード回帰を使用して評価しました。

結果: 研究には生合成メッシュが101例(23%)、合成メッシュが338例(77%)含まれていました。生合成メッシュを用いた患者は平均して合成メッシュを用いた患者よりも年齢が高かった(57歳 vs 52歳;p = 0.008)。また、重症な症例(ASAクラス≧III)は生合成メッシュを用いた患者に多かった(70.3% vs 55.1%;p=0.016)。さらに、生合成メッシュを用いた患者は合成メッシュを用いた患者よりも腹部感染の既往がある可能性が高かった(30.7% vs 19.8%;p=0.029)。Kaplan-Meier分析によると、両タイプのメッシュでヘルニア再発に有意差は見られず、どちらのメッシュも5年間で約72%の再発生存率でした。また、両タイプのメッシュで手術部位感染率も同等であり、追跡期間は5年に及びました。

つまり、この研究では生合成メッシュを用いたVHRと合成メッシュを用いたVHRの結果に大きな違いはなく、ヘルニア再発率や手術部位感染率もほぼ同じであると結論付けられました。

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