海外ベストセラー『死生学』の翻訳校正をしました。

死生学

海外のベストセラー本の翻訳校正をしました。

小学生から大学生までに、死についてかんがえるよい本です。

死について考える本
メリー=エレン・ウィルコックス 作/おおつかのりこ 訳

死について考える本
メリー=エレン・ウィルコックス 作/おおつかのりこ 訳

死生学

定価3,850円 (本体3,500円+税) 小学校高学年から
23×20cm/87ページ/ISBN978-4-251-04509-6/C0039/NDC380
初版:2020年9月

どうしてわたしたちは死ぬのか? 死んだらどうなるのか? 子どもたちのだれもが抱くであろう「死」にたいする疑問。本書はその問いに正面からむきあった画期的な一冊だ。自然科学の面から、また世界各地の文化と宗教の面から死をみつめ、生と死についての考えを深めることができる。一般に話すことがさけられがちな「死」だが、そのセンシティブなテーマを、豊富な写真とともにさまざまな角度からとりあげた意欲作。

「死について考える本」解説
はじめに
「死について考える本」は、メリー=エレン・ウィルコックスが著し、おおつかのりこが翻訳した、子ども向けに「死」というテーマを正面から取り上げた画期的な一冊です。この本は、自然科学の観点から、また世界各地の文化や宗教の観点から死を探求し、生と死についての考えを深める機会を提供します。多くの人々にとって話すことが避けられがちな「死」というセンシティブなテーマを、豊富な写真とともにさまざまな角度から紹介することで、読者がこの重要なテーマに対する理解を深める手助けをしています。

本書は、全国学校図書館協議会選定図書としても評価されており、子どもたちだけでなく、大人にとっても貴重な学びの機会を提供しています。以下では、本書の内容を詳しく解説し、その重要性と意義について述べていきます。

死とは何か?
死の定義
死は生物学的に定義される現象であり、すべての生物が避けられない現実として直面するものです。一般的には、心臓の停止や脳の活動の停止をもって死と見なされます。しかし、死の定義は文化や宗教、時代によって異なる場合があります。本書では、現代の医学や科学の観点から死の定義を説明しつつ、歴史的な視点や異なる文化の視点からも死の概念を探求しています。

生物学的視点からの死
生物学的には、死は細胞や組織が正常に機能しなくなることで起こります。細胞がエネルギーを生成する能力を失い、組織が破壊されると、生命活動は停止します。この過程は老化や病気、事故などによって引き起こされます。ウィルコックスは、これらのプロセスを子どもにも理解できるように簡潔に説明しています。

死の文化的側面
世界の文化における死
死に対する考え方は文化によって大きく異なります。ある文化では死は新たな生命の始まりと見なされ、他の文化では悲しみや恐怖の対象とされます。本書では、アフリカの伝統的な儀式から日本の葬儀、メキシコの「死者の日」まで、さまざまな文化の死に対する儀式や慣習を紹介しています。

宗教的視点からの死
宗教も死の概念に大きな影響を与えています。キリスト教、仏教、イスラム教、ヒンドゥー教など、主要な宗教はそれぞれ独自の死後の世界や葬儀の儀式を持っています。ウィルコックスは、これらの宗教的な視点を紹介し、それぞれが死とどのように向き合っているかを解説しています。

死にまつわる科学
医学の進歩と死
医学の進歩により、死の瞬間や過程についての理解が深まりました。生命維持装置や臓器移植、延命治療など、現代の医療技術は死の境界を曖昧にし、死に対する新たな倫理的な問題を提起しています。本書では、こうした医学的進歩が死に対する考え方にどのような影響を与えているかについても触れています。

死後の身体の変化
死後、身体にはさまざまな変化が起こります。これらの変化は、科学的に詳しく研究されており、法医学などの分野で重要な役割を果たしています。本書では、死後の身体の変化についても詳しく解説し、子どもたちが自然科学的な視点から死を理解する手助けをしています。

死を迎える準備とグリーフ
死を迎える準備
死を迎える準備は、患者自身だけでなく、その家族や友人にとっても重要です。ホスピスケアや緩和ケアは、患者が最期の時間をできるだけ快適に過ごすための支援を提供します。本書では、ホスピスケアの役割やその重要性についても説明しています。

グリーフとその対処法
死別による悲しみ(グリーフ)は、誰にとってもつらい経験です。しかし、適切な支援や対処法を知ることで、この悲しみを乗り越える手助けとなります。ウィルコックスは、グリーフの過程やその対処法についても詳しく解説し、読者がこの困難な時期を乗り越えるための支援を提供しています。

子どもたちと死について話す
子どもたちの死に対する疑問
子どもたちは、死という概念に対してさまざまな疑問を抱きます。どうして人は死ぬのか? 死んだらどうなるのか? これらの疑問に対して、正直で年齢に適した方法で答えることが重要です。本書は、子どもたちが抱く疑問に対して適切な回答を提供し、彼らが死について理解を深める手助けをしています。

死について話すためのヒント
死について話すことは、特に子どもにとっては難しいテーマです。しかし、正直でオープンな対話は、子どもたちが死を理解し、恐怖や不安を和らげるために重要です。ウィルコックスは、親や教育者が子どもたちと死について話す際のヒントや方法を提供しています。

死に対するさまざまな視点
自然界における死
自然界では、死は生命の一部として捉えられます。動物や植物の死は、新たな生命の誕生や生態系の循環に重要な役割を果たします。本書では、自然界における死の役割やその意義についても解説しています。

死の哲学的視点
哲学的な視点から見ても、死は長い間議論の対象となってきました。死の本質やその意味についての哲学的な議論は、人間の存在や意識に関する深い問いを提起します。ウィルコックスは、こうした哲学的視点からの死についても紹介し、読者がより深く考えるための材料を提供しています。

著者と翻訳者について
メリー=エレン・ウィルコックス
メリー=エレン・ウィルコックスは、教育者であり、作家としても知られています。彼女の作品は、子どもたちに難しいテーマを分かりやすく伝えることに定評があります。本書でも、その豊富な知識と教育経験を活かし、子どもたちが死について学び、理解を深めるための一助となる内容を提供しています。

おおつかのりこ
おおつかのりこは、数多くの翻訳書を手がけてきた翻訳家です。彼女の翻訳は、原作の魅力を損なうことなく、わかりやすく伝えることに定評があります。本書でも、その巧みな翻訳技術により、ウィルコックスのメッセージを日本の読者に的確に伝えています。

結論
「死について考える本」は、子どもたちが死という難しいテーマを理解し、恐怖や不安を和らげるための貴重なリソースです。自然科学、文化、宗教、医学、哲学など、さまざまな視点から死を探求することで、読者はこの不可避の現実に対する理解を深めることができます。豊富な写真や具体的な事例を通じて、子どもたちは死についての知識を得るだけでなく、生と死の関係についても考える機会を得られます。

本書は、全国学校図書館協議会選定図書として評価されていることからも、その教育的価値が認められています。親や教育者にとっても、子どもたちと死について話す際の重要な手助けとなるでしょう。死について正面から向き合い、その理解を深めるためのこの意欲作を、ぜひ多くの方々に手に取っていただきたいと思います。

追加の考察
生命と死の連続性
「死について考える本」は、生命と死の連続性についても考察しています。生物学的な観点から、生命のサイクルは生と死を通じて続いており、この連続性が生態系のバランスを保っています。この視点を理解することで、死を単なる終わりとしてではなく、新たな始まりの一部として捉えることができます。

死に対する社会の態度の変化
歴史的に見て、死に対する社会の態度は大きく変化してきました。かつては家族やコミュニティが死を共同で受け入れ、葬儀を通じて死者を送り出す文化が一般的でした。しかし、現代では死が病院やホスピスといった専門機関に委ねられることが増え、個人や家族が死に対する直接的な経験を持つことが少なくなっています。こうした変化が、死に対する理解や受け入れ方にどのような影響を与えているかについても、本書は考察しています。

死後の世界の探求
死後の世界についての探求は、宗教や哲学の分野だけでなく、科学の分野でも行われています。臨死体験の研究や、死後の意識に関する議論など、さまざまなアプローチが試みられています。ウィルコックスは、こうした研究の現状についても紹介し、読者が死後の世界について多角的に考えるための材料を提供しています。

まとめ
「死について考える本」は、死というテーマに対する包括的な理解を提供する一冊です。子どもたちが死について学ぶことは、単に知識を得るだけでなく、人生や人間関係、自己理解を深める重要なプロセスとなります。ウィルコックスとおおつかのりこによるこの本は、そのプロセスを支援するための貴重なリソースであり、読者に多くの示唆を与えることでしょう。

死についての話題を避けるのではなく、積極的に学び、対話を通じて理解を深めることが、子どもたちが健全な視点で人生を歩むための基盤となります。この本が、その一助となることを願っています。

 

 

 

 

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あなたらしい最期の生き方

当院からは、死についての学問の本を10年前に刊行しております

当時は、このタイプの本はまったくなかったので、出版業界で衝撃的でした。

 

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