混合性尿失禁患者における膀胱頸部機能不全の影響

混合性尿失禁患者にて、超音波で、膀胱頸部機能不全を評価しました。

「混合性尿失禁」とは、尿を我慢することが難しく、尿漏れが起こる状態の一種です。この状態にある人では、尿が出る部分(膀胱の入り口)の機能が正常でないことが多いことが分かりました。また、尿失禁の治療を受けた後に、尿意を強く感じる(過活動膀胱と呼ばれる状態)症状が残る人も、同じように膀胱の入り口や尿道(尿が通る管)の機能に問題があることが多いです。

台湾の高雄医学大学の研究チームが行ったこの研究では、2017年から2022年の間に特定の超音波検査を受けた184人の患者を調べました。この患者さんたちは、ストレスによる尿失禁、混合性尿失禁、切迫性尿失禁、または尿失禁がないにも関わらず尿意を強く感じる状態(過活動膀胱)にある人たちでした。

調査の結果、混合性尿失禁の患者さんでは、膀胱の入り口の機能不全が特に多く見られ、尿失禁の治療を受けた後の過活動膀胱の症状とも関連があることが示されました。つまり、尿失禁の治療をしても、膀胱の入り口の問題が解決されなければ、治療後に過活動膀胱の症状が改善されにくいことが分かったのです。

この研究は、尿失禁や過活動膀胱の治療において、単に症状を抑えるだけでなく、原因となる膀胱の入り口や尿道の問題にも注目する必要があることを示しています。

混合性尿失禁患者にて、超音波で、膀胱頸部機能不全を評価

World J Urol . 2023 Nov;41(11):3083-3089. doi: 10.1007/s00345-023-04639-x. Epub 2023 Sep 29. Bladder neck incompetence could be an etiology of overactive bladder syndrome in women with stress urinary incontinence after anti-incontinence surgery: insights from transrectal sonography

 

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