【当院の海外論文】腹圧性尿失禁・混合性尿失禁に対するメッシュ手術とレーザー治療の比較

当院から、World Journal of Urology (2019) 37:885–889 に投稿した論文です。
https://doi.org/10.1007/s00345-018-2445-x

 

150人を対象にした調査研究

この研究では、被験者には、TVT、TOT、またはレーザー治療を受けた患者がふくまれ、この3つのグループの比較をしました( 各n = 50)。1時間のパッドテスト、失禁質問票ショートフォームに関する国際協議(ICIQ-SF)、および過活動膀胱症状スコアを使用して、治療前と治療後12か月の患者を評価しました。レーザー治療では、膣壁に局所麻酔薬を塗布した後、プローブを膣に挿入し、2940nmの波長で20分間照射しました。この治療は隔月で3回行われました。

 

1時間パッドテストをおこなうことで、人工メッシュテープをもちいた尿失禁手術とレーザー治療(3回)はほぼ同じ程度に改善することがわかります

 

おおきな違いは、混合性尿失禁

おおきな問題点は、混合性尿失禁です

これは、咳をすると尿がもれる腹圧性尿失禁 と 神経のたかぶりで尿がもれる切迫性尿失禁の2つが、混合したものです

 

このように、人工テープをつかう手術だと、もともとに混合性尿失禁があると悪化することがわかります

そのような条件のわるいときこそ、レーザー治療が効果的であるとわかります

関連記事

  1. メッシュによる膣脱修復手術後の痛みは治療が必要な神経障害にな…

  2. 【当院の海外論文】乳がんサバイバーの女性泌尿器科治療マニュア…

  3. 尿失禁のテープを挿入したあとの切迫性尿失禁出現率

  4. ネイティブ手術(メッシュなしの手術)は副作用がほとんどない

  5. TOT手術からの経閉鎖孔テープの根治的切除

  6. メッシュによる仙骨膣固定術後の脊椎椎間板炎の重要性

PAGE TOP