【当院の海外論文】間質性膀胱炎では、膣外陰部触診(ヴルヴォディニア・テスト)が重要である。

間質性膀胱炎には外陰部テストが必要

 

当院からの2022年の英語論文です。国際尿禁制学会という尿失禁専門学会の医学誌に載りました。題名の通り、間質性膀胱炎診察には、膀胱だけでなく、膣や外陰部など周辺を見るべきだというものです。

今回は、  投稿後、査読即Okをいただきました。


 

間質性膀胱炎

2022年4月に査読付き英語学会誌 International Urogynecology Journal に合格した当院の論文の理論をアニメで紹介します。
この論文は、査読審査員3人が一発合格をだしたものであるので、理論は多くのドクターに受け入れてくれるものと思います

要点はひとつだけ
『間質性膀胱炎の診察には、必ず外陰部と膣の診察が必要』である。

今回のYouTubeでは、アニメで、
例えば、こんな間質性膀胱炎の患者さんであれば、この理論であるというのを作りました。
これが間質性膀胱炎の方の痛み改善に役立てばと思います

膀胱痛症候群と外陰痛症の女性における性機能障害と膣健康の悪化について

膀胱痛症候群(IC/BPS)は、頻尿や骨盤の痛みを特徴とする慢性の疾患であり、患者さんの生活の質に大きな影響を与えます。この疾患は、泌尿器系だけでなく、性機能にも悪影響を及ぼすことが知られています。本研究は、IC/BPS患者における性機能障害や膣の健康状態の悪化についての理解を深めることを目的としています。

本研究では、IC/BPS患者の膣健康と性機能を、症状のない健康な対照群と比較しました。使用された評価ツールには、Pain Urgency Frequency(PUF)スコア、女性性機能指数(FSFI)、膣健康指数スコア(VHIS)、および外陰痛症スワブテストが含まれます。PUFとFSFIはアンケート形式で、患者さん自身が症状を評価します。一方、VHIS評価と外陰痛症スワブテストは医師によって行われます。

研究結果によると、IC/BPS患者は対照群に比べて、PUFスコアが有意に高く(18.19±3.51 vs 3.56±2.35; p<0.05)、FSFIスコアが低く(15.72±4.46 vs 26.3±4.93; p<0.05)、また外陰痛症スワブテストとVHISスコアも悪化していました(11.59±2.87 vs 22.05±3.05; p<0.05)。これらの結果は、IC/BPS患者が膣健康の悪化や外陰痛症の増加により、性機能障害を経験することを示唆しています。

特にアジア人女性においては、IC/BPSに伴う性機能障害や膣健康の悪化が顕著であり、これが患者の生活における大きな課題となっています。この研究は、IC/BPS患者の診療において、膣や外陰部の健康状態の評価が非常に重要であることを強調しています。膀胱痛症候群の治療において、性機能や膣健康の改善が重要であり、そのための適切な評価と治療が必要です。

さてヴルヴォディニアの触診ですが、このように診察をします

間質性膀胱炎での外陰部テスト

内診台にのった患者の陰部を順番に押さえて痛みの度合いを聞いていくのです。とても単純ですが、重要な所見を与えてくれます。

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